┏━━━━━━━━━ 辞 書 編 ━━━━━━━━━┓ ┃ ┃ ┃ ア ・ イ ・ ウ ・ エ ・ オ ┃ ┃ ┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ■アーカイバ archiver。「書庫管理プログラム」とも呼ばれ,ディスクファイルの整理整 頓や受け渡しに便利なツールの一種。もともとはプログラム開発のバージョン 管理や,データのバックアップ用という意味合いの強かったものだが,最近で はディスク内のファイルの一括管理,およびパソコン通信等用のデータ圧縮ソ フトとして広く愛用されている。 たとえば,1枚のフロッピィディスク中に, TEXT01.DOC TEXT02.DOC : : TEXT10.DOC という具合に10個の文書ファイルがあるとき,それを1つのファイルにまとめ てしまい込む働きをするのがアーカイバである。フトン圧縮袋のようなものだ と考えればよい。 吉崎栄泰氏作の(世界的に!)著名なフリーソフトウェア「LHA」は,こ のアーカイバの一種で,MS-DOSやTownsシステムソフトウェアのコマン ドモードから lha a text text*.doc とすれば,TEXT.LZHというファイル(アーカイブファイル)が生成され,その 中に10個あったテキストファイルがすべて圧縮されてしまい込まれる。そして, この圧縮されたファイルからしまい込まれたファイルを取り出すことを「解凍」 というのだが,決して電子レンジで・・・・というネタは,津々浦々のパソコン通 信上ですでに使い古されたものでもあり,何もなかったことにしてほしい。 ■アイコン もしも医者が,薬棚からドクロマーク(頭蓋骨に2本の骨を交差して描いた もの)の瓶を取り出したとしたら,あなたは多少なりともひるむに違いない。 なぜならあなたは,「瓶に貼られたドクロマークは毒薬を表す」ということを なんとなく知っているからだ。このように図像的記号で意味を表す例は少なく ない。信号の歩け・止まれ,デパートのエスカレーター,男子トイレと女子ト イレ,高速道路のパーキングエリアのナイフ&スプーンマーク・・・・。 これらの,言葉ではなく視覚的に意味を伝えるマークのことを「アイコン」 という。決してコンピュータの専門用語ではないが,マン・マシン・インタフ ェースがGUIに走ると,非常に重要な役割を演じるようになった。たとえば, TownsMENUでは自作のアイコンをアイテム(画面上の道具,といった感じ) として登録することができる。編集部のマシンには,著作権の問題から公開で きない楽しいアイコンが並んでいるが,それをどんなものと想像するかで,あ なたの趣味がうかがえるだろう。 ■赤本 アスキーから発行されている「FM TOWNSテクニカルデータブック」 (千葉憲昭著)のOh!FMTOWNS編集部内での愛称。名称の由来は,表紙が 赤いため。各I/Oアドレスマップ,BIOS一覧,公開されている各種コネク タの仕様とピン配置などが掲載されており,TOWNSプログラマ必携の資料 となっている。 ■秋葉原 「アキハバラ」と読む。東京JR秋葉原駅周辺に広がる,日本有数の電気商店 街。略して「アキバ」と読むのはパソコンマニアや無線オタクだけかと思って いたら,先日山手線の中で買い物姿のガイジンさん数人が「アキーバ,アキー バ」を連発していた。どうも国際的なものらしい。 それにしてもあの広さ,店の数,人の多さなのに,なぜああも毎度毎度知り 合いと出会ってしまうのだろう。 ■朝日新聞 高校生のクラブ活動におけるイベントを,あたかも人生最大の山場のごとく 演出してみせる,口の巧みな興行主。汗を流しているのは別に野球部員だけじ ゃないと思うのだが。連続敬遠がどうの越境入学がどうの(あるいは,青春が どうのフェアプレイがどうの)というような喧騒を引き起こす前に,特定の選 手のホームランを見せ物にする大会自体を「これは興行だ」とはっきり明言す べきだろう。 ・・・・というようなことを書いてもしかたないが,あんまりたいした事件でも ないのに,天下の公器の1面に,やれどこのコンピュータの実売価格が安いの, やれどこのメーカーがどこと提携したの(今どきアップルやソニーと提携して いないメーカーのほうが珍しい),やれどこそこの市販ソフトにコンピュータ ウイルスが入っていたの(このウイルスの正体に関する後追い記事は明らかに 誤報)とかいったことを趣味レベルの知識をもとに連発して載せないでいただ きたい。汗と涙の高校生の,教育に悪いではないですか。 ■アセンブル,アセンブラ,アセンブラソース (→ 12: リスト の項参照) (→ 18: 文章編5 参照) ■アップルコンピュータ アメリカの,パーソナルコンピュータの会社。かつてはパーソナルなコンピ ュータ会社だった。 ■アバタ (→ 26: 文章編13 参照) ■アプリ いうまでもなく,アプリというのは「アプリケーション(application)」 をずぼらに略した言葉だが,いい加減な使い方をされるうちに,ほとんど「ア プリ=コンピュータ用のソフト」というくらい,意味があってない言葉になっ てしまった。少し,元の意味をたどってみよう。 アプリケーションプログラムとは,本来は「応用プログラム」と訳され,O Sが基本ソフトウェアなら,その上で具体的な目的のために動作するプログラ ムのことをいった。したがって,ファイル管理やメモリ管理を行うMS-DO Sが基本ソフトウェアであるなら,その上で動作する一太郎や信長の野望はア プリケーションだといえる。しかし,TownsGEARはTownsOS上で動作す るアプリケーションであるが,TownsGEARで開発されたアプリケーション から見れば,TownsGEARのシステム自体は基本ソフトウェアである,とい った具合に,相対的なものでもある。「親と子」という言葉と似たようなもの だ。 なお,狭義の使い方では,アプリケーションといえばワープロ・表計算ソフ ト・データベースのような,いわゆるビジネスツールのことを示し,ホビー系 のソフトとは一線を引く。「応用」という言葉から,より実務的な部分のみを とらえてのことなのだろう。宣伝もしやすそうだ。 ■アラン・ケイ パーソナルコンピュータという概念を初めて提唱したとされている人物。人 工知能の研究や教育用として知られるコンピュータ言語LOGOにヒントを得 て,「子供でも使えるコンピュータグラフィックス」と「コンピュータはディ スプレイ以上に大きい必要はない」というアイデアを融合し,「ダイナブック」 というパーソナルコンピュータを提唱した(東芝のDynaBookはこの言葉を拝 借したもので,ブックサイズであるという点を除くとケイの理想とはあまり関 係がない)。その後彼は,Smalltalkという個性あふれるプログラミング言語 を開発したり,マウスをコンピュータのインタフェースに採用したり,とサエ た発想を次々とぶち上げ続け,ゼロックス,アタリと渡り歩いた後,現在はア ップルコンピュータの顧問として研究三昧の日々を送っている(らしい)。 ■アルゴリズム algorithm。算法,解法と訳すが,訳した言葉を使う例はほとんどない。与 えられた問題を解くための一連の手段,手続きのこと。1からnまでの総和を 求めるときに,1に2を加え,それに3を加え,・・・・と求めていくのも1つのア ルゴリズムなら,1+nをn/2倍するのもアルゴリズム。アルゴリズムを特定のプ ログラミング言語で記述したものがプログラム。手元の資料によれば語源はな んでもアラビアの数学者の名前だそうだが,読めないので写さない。 ■アンドゥ(UNDO) 覆水を盆に戻すこと。失恋した若者が,人生にこの機能があればと3か月は 夢見るもの。(→ 23: 操作系の用語あれこれ の項参照) ■イニシャライズ(初期設定) (→ 17: 文章編4 参照) ■インストール (→ 17: 文章編4 参照) ■インタフェース (→ 19: 文章編6 参照) (→ 20: 文章編7 参照) ■インテル 力ワザの得意なアメリカのCPUメーカー。 ■ウィンドウシステム (→ 20: 文章編7 参照) ■ウエイト 同じCPUを使っていて,それがせっせと土砂を運ぼうとしても,運んだ先 のベルトコンベアがのんびりだと結局は作業がとどこおってしまう。パソコン では,本体の価格を少しでも下げるために安価なメモリや周辺機器を使うこと はままあることで,そのメモリや周辺機器がCPUに追いつかず,しかたなく CPUをのんびり動かす仕様にしておくことがある。これをウエイトという。 いくら本体を廉価にするためとはいえ,わざわざCPUパワーを殺しているわ けだから,旗を振って喜ぶユーザーはあまり多くない。 ■エキスパートシステム (→ 27: 文章編14 参照) ■エディタ (→ 23: 文章編10 参照) ■エリアシング を除去するアルゴリズムがアンチエリアシング。(→ 25: 文章編12 参照) ■宴会王 電脳商会による,TOWNS用CD-ROMソフト第一段。TOWNSの, 否,日本のコンピュータ史の全域において,「マルチメディア」の意味と可能 性をこれ以上に強烈にアピールした作品はない。なぜなら,このパッケージに 対しては,なんぴとも,いまだにレッテル,すなわちジャンル名すら付けられ ていないからだ。 ■エンジニアリングワークステーション(EWS) ワークステーションのうち,とくに科学技術計算を目的とするもの。 ■オーサリングシステム (→ 27: 文章編14 参照) ■おざなり 「天使」と「悪魔」の「悪魔」の部分のほう。申しわけない。思ったより時間 が・・・・否,言いわけはよそう。 ■落ちる 落ちる・落ちれば・落ちるとき,と活用するが,落ちる先はいずれも同じ。 システムが落ちると頭の中が真っ白になるが,原稿が落ちるとページが白くな る。 ■オブジェクト指向 「コンパイラ型のプログラミング言語が生成するプログラム。これに,実行に 必要な実アドレスへの割り当てとサブルーチン群(ライブラリ)をリンカによ ってリンクすることによって,実際にコンピュータで動作するプログラムが生 成される」・・・・というのは,実は「オブジェクトプログラム」の解説であって, 「オブジェクト指向」とはあまり関係がない。では,オブジェクト指向とは何 かといえば,これが実に定義の難しいものだが,たとえば,「従来のプログラ ミングが郵便物の上にそれが届くためのすべての手続きを明記していたのに対 し,オブジェクト指向プログラミングでは,目的(つまりオブジェクト)を強 く意識するがゆえに,単にポンッと郵便物を出し,後の手続きはよそ様に任せ てしまうような」プログラミングのあり方のことだ,とある人は言った。わか りにくいのは,定義だけではなく,実際にオブジェクト指向プログラミング言 語と呼ばれる「C++」(シープラプラ,と読む)などでプログラムを組もうと しても,やはり「自分が組もうとするプログラムなのに,どこか他人任せにな ってしまい,不安」になってしまうものなのである。几帳面極まりない日本人 向けではないのである。明日は晴れるだろうか。 ■オプションスイッチ・オプションソフト・オプションハード (→ 16: 文章編3 参照) ■オプティマイズ プログラムにおけるダイエットのこと。他社比12分の1。(→ 16: 文章編3 参照) (付記:再度,CMネタは風化するぞ。) ■オプティミズム 明日は明日の風が吹く。 ■オペランド,オペコード(演算子) アセンブラ関連の用語。(→ 18: 文章編5 参照) ■オラクル 「富士通Habitat」内のシステム管理者。一般のパソコン通信ネットワーク上 でのシスオペ,シグオペにあたる・・・・などというと夢もロマンもないので,こ こはやはり「Habitat国の神官」としておきたい。(→ 26: 文章編13 参照)